Tuesday, August 11, 2009

世界を支える36人

感激アート



St. Josephに居た時に、St. John's Universityのアートセンターのギャラリーで”Ink on Paper”というUkrainian/American artist Ben-Zion [1897-1987] の展覧会を見てきました。

これは、ジューイッシュ(ユダヤ)の神話、36人の知られざる人々、又は世界の中のただの人達(Just men in the world)からモチーフを得た版画の作品展です。その版画は36種の仕事を描き、それに作家の書いた詩が一枚一枚あって、版画と詩がとてもいい作品展です。

この神話は、神が人類を滅ぼそうとした時に、36人のとても善良な人達のために、それを諦めた話で、この36人が誰であるかは、神のみぞ知る事で、36人自身もその事を知らないのです。

アーティストは36種の仕事を選んで、それを版画にし、詩をつけて“36 Unknown.”と題した作品群をつくりました。

始めこの展覧会とこの神話の話を友人から聞いて、36人のためにこの世界があるのか?なんと傲慢な話なのだろうと思ったのですが、作品を見て、作家が選択した職業がとてもベーシックな職種(牢に入った犯罪人もその中に入っていました。)だったのと、詩がとても良かったので、とても感動を覚えました。

何事にもベーシックはとても大切で、それ抜きには何も始まりませんし、それだけで十分なのです。もし神が36人(36種の仕事)の善良で、ひたすらコツコツ働く者の為に、この世界を存続させたのなら、私は納得します。36という数字が神話の中では意味があるのかもしれませんが、その数字を抜きにして、職人という人々が、この世を継続させているとしたら、とてもすばらしい事です。

日本にはすばらしい職人さん達がいっぱいいます。岩手に居た時に、儲けにもならないのに、ひたすら手間の掛かるやり方で、制作している職人さん達に会いました。それ方法がいい物を作ると思って続けているのです。良いものを作るには手間が掛かります。それを惜しまない職人さん達が居なくなってしまったら、この世は終わってしまうと思います。

たとえ物を制作するだけの職人さんばかりでなくても、職人精神(ただ良いものを作る事だけに人生を費やす)を持った教師や牧師(宗教家)や医者などが、必要なのは言うまでもありません。相手のことをただただ思いやった仕事は職人精神に通じるものがあります。

36種の仕事を選抜するとしたら、何を選びますか? もちろん私は陶芸家をその一つに選びますね。ちなみにこのアーティストも選んでいました。土と共に仕事をし、人々に食と共に安らぎを与える陶器を作る仕事は、すばらしい。(プラスティクを使うな!陶器を使え!と叫びたくなる昨今。)土の温かみは、大地の恵み。職人さん万歳!(日本の職人さんの種類がいっぱいあって、36種では収まりきれない。あーなんて日本はすばらしいのだろう。後継者不足も皆が良いものを買えば解消されると思うのだけど。)

“The Watercarrier”

The well fills my pails.

They balance my shoulder

And make me walk in the rhythm

Of the water.

--- Open the gates my patrons

I will fill your barrels,

That you may bless the One

By whose word

Everything was created.

by Ben-Zion

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